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(5)勉強の環境づくりと自己管理を


「夏こそが受験の天王山。頑張り抜いて、一歩でも志望校合格に近づくぞ!」。意気込みはすごかったのですが、夏休みが終わってみれば、残ったのは敗北感だけ...。このような受験生の事例は山ほどあります。挫折の原因は、分析を待つまでもなく、自己管理ができないことに尽きます。

夏休みは、遊びなどの誘惑が多く、自己管理に不安な現役の人は、高校の補習授業を受講しなさい、と勧めているのもそのためです。課題は、補習授業のない日の勉強法です。補習授業は、一般に通算二十日ぐらいなので、夏休みの半分は、自習にならざるを得ません。挫折の要因は、その際の勉強法の在り方です。

計画通りに一人黙々と勉強をこなすのは、強い精神力を要し、ストレスと苦難を伴います。勉強が行き詰まった場合やストレスを感じたときは、気分転換に、勉強場所の変更も効果的で、多くの受験生が取り入れています。午前中は自宅で、午後は図書館、夜は自宅と勉強場所の環境を変えるのも一考でしょう。

また、自己管理に自信が持てない人は、家族の生活リズムに合わせるやり方もあります。時間に規則正しい公務員やサラリーマンが理想ですが、自分の行動をお父さんの起床、朝食、出勤、帰宅に重ね合わせるわけです。朝は一緒に家を出て、図書館や予備校で勉強し、同じ時間に帰宅すれば、父親の勤務時間並みに最低八時間は勉強できます。そのメリットは、生活にメリハリがつくうえ、自己管理の失敗を回避できること。

もう一つ、究極の勉強場所があります。喫茶店やファミリーレストランの活用です。私は、原稿を執筆するとき、必ずと言っていいほど、デスク代わりに利用しています。時間を気にしないで済む二十四時間営業の店がお勧めで、原稿を書き上げるのに、三十時間以上も居続けたこともありました。体験上も勉強に集中するには打って付けの場所と考えています。長居する際は、食欲に関係なく、ある程度の間隔で飲食物を注文するのがルールですが...。

要は、勉強せざるを得ない環境を自ら演出すること。受験期の中でも大事な夏休みを、やる気が起きない、飽きたなどの理由をつけて、漫然と過ごすのではなく、自らを喚起する知恵と工夫が必要なのです。