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(1)迷ったら進学の意義問い直す


きょうから七月。時間の足りない受験生にとっては、気の焦る時期を迎えた。また同時に、夏休みに心ざわめくのか、勉強が手につかなくなる受験生も少なくありません。そのような子供の急変に直面すると、親の多くは、「そんなことでは志望校に合格できない」と、精いっぱいの叱咤激励します。

でも、そのやり方は、厳しい言い方ですが、それほど効果はありません。むしろ逆効果になるケースさえあります。経験則で言いますと、勉強に身が入らない受験生に共通しているのが、「受験勉強をさせられている」という心理。一方、親の方も「気分よく勉強をやらせ、良い大学に入ってもらわなければ」との意識が強く、腫れ物に触れるような接し方をしがちです。

基本的に、大学進学は、自分が描いた人生を歩むために必要な選択肢の一つにすぎません。私も、予備校で「受験は自分で選択した道だろう。ならば、自分で道を開く努力をしなければいけないじゃないか」と、言い聞かせています。それを本末転倒した受験生が「やらされている」と勘違いしているのです。

極端なことを言えば、行きたくない人は、大学進学の必要などありません。進学したい気持ちがあれば、「これほど勉強したことはない」と思えるほど、勉強する受験期を体験しておくことも、人生の大きな財産になるのです。受験生にとって最大の褒美は「あんなにやれたんだ」という経験。それに付随した有名大学、一流大学に合格したかは、別の次元の話で、「頑張り通した」という体験こそが、自分を支える自信になるという点で重要です。

そのことが、社会人になってから、どれほど役立っているかは、大学受験を経験した親ならば、実感しているのではないでしょうか。ところが、嫌々ながら受験に臨んでいる子は、親や先生に「押しつけられた受験」と勘違いしているため、受験が辛くなるこの時期に行き詰まってしまう。原点に戻って、もう一度、何のため、誰のための受験かを考え直すことです。

その点を正しく理解できれば、先憂後楽の意味するところも分かり、遊びに走る気持ちを抑えられるでしょう。結論は、勉強は大変だが、受動態的な勉強から、積極的な勉強に転換することが解決の道。